「日本らしいフットボール」って何ですか
2017年4月9日、ハリルホジッチ監督が突然解任されました。
私がそのニュースを読んだのは、ドルトムント対シュトットガルトの試合を見た後の帰りの列車の中で、興奮状態だった体が一気に冷え切ったのを覚えています。
解任理由として挙げた選手とのコミュニケーション不足があったかどうか知りませんが、本当に壊滅的なまでのチーム状態であったのならば、W杯予選が突破できたとは思いません。
また、ハリルホジッチは解任通告を受けた数日後の「Goal」の独占取材に対し、「全てが金とビジネスによってひっくり返ってしまった」と言いました。
本当にそうなのであれば、ただただ悲しいです。
私は「サッカーは紳士のスポーツ」だと言われてサッカーをしてきました。今でもサッカーによって自分の性格が形成されて、人間的に成長できたと思っています。そのような素晴らしいスポーツを日本で普及させ、盛り上げようとする組織のトップが反スポーツマンシップ的な振る舞いをした事は何か裏切られた気分で、本当にその方々が日本のサッカーを強くしたいと思っているのか疑いたくなります。
新監督には技術委員長であった、西野朗さんが就任されました。
私が気になったのはその監督就任会見で西野新監督がおっしゃった、「構築してきた日本のフットボール」という言葉です。
構築してきた日本のフットボールって何でしょうか?
恐らくそれが指し示すのが、「技術力を生かしたポゼッションサッカー」だと思います。それであれば、育成年代でポゼッションサッカーを成立させるスキルを身につけるための練習が一貫して行われてきたでしょうか。
日本の育成年代では部活動とクラブでの練習も一貫したものでなく、現状プレースタイルを一貫する基盤もないのではないでしょうか。
加えて、このポゼッションサッカーは体格的なディスアドバンテージから逃げるためであるように思われ、ゴール奪うためのポゼッションではないような気がします。ゴールを奪うためにはどうしたって縦パスを通して、デュエルで勝つ事が必要であり、同様に奪われない体の使い方やフィジカルも必要です。
本大会で西野監督が披露する日本のフットボールがワクワクするフットボールであることを願うばかりです。
自分も「日本なりのサッカーの盛り上げ方」のヒントを見つけるために、サッカー先進国のドイツに来ました。ただ、ブンデスリーガの模倣をするだけでJリーグで同じような成果が出る事はないと分かってはいましたが、余りにも二カ国間のエンターテイメント環境の差の大きさとそれが国民の行動に与える影響力が大きくて驚いています。土台が違うために、日本サッカーが目指すべきものは、ドイツサッカーと違う事は当然で、具体的な答えは見えないが試行錯誤するしかないと考えています。
「らしさ」を追い求めるという事は、根拠のない理想を追い求める事ではなくて、現実(データ)を見て最も結果が残せる冷静な判断を続ける事、というのはこっちに来てから言語化できたものです。
同様に日本のフットボールもどこぞの代表チームの模倣ではなく、現実と向き合った「らしさ」の片鱗が見えるものであってほしいなと思います。
あ〜〜〜、W杯楽しみですね。笑